こんにちは。
代表の平田です。
先日、鹿児島県の開聞山麓香料園で、芳樟(ほうしょう。別名ホーリーフ)のエッセンシャルオイル蒸留体験に参加してきました。
体験では木から切り落とされた枝葉から手作業で葉と小枝のみを選別する作業から始まり、蒸留後の片付けまでを体験してきました。
改めて、エッセンシャルオイルがいかに貴重で、大変な作業を経て作られているかを実感できたので、ご紹介します。
芳樟の効果
高い鎮静効果やリラックス効果を期待できます😃
実際に私が試した感想など詳しい効果はこちら
芳樟の木から採れるエッセンシャルオイルはどれぐらい?
作業の様子はこの後詳しくご紹介するとして、ここでクイズです💁
芳樟の木1本分の小枝と葉からどれぐらいのエッセンシャルオイルが採れると思いますか?
▼芳樟の木
これは芳樟(左)とティーツリー(右)↓
ヒント:枝と葉から採れるエッセンシャルオイルの割合は1%
答えは・・・
たったの200gです🫢
ほとんどのエッセンシャルオイルは比重が小さいので、仮に比重0.9で計算すると222ml。
つまり芳樟の木1本から採れるエッセンシャルオイルは、平均で10ml入りボトル22本分だけなんです。
エッセンシャルオイルは植物や果物からわずかにしか採れないのですが、芳樟も例にもれず、ですね。
季節ごとの芳樟
4月:小さな花が咲く🌸
夏:一番油分が多く、エッセンシャルオイルは1.2%ほど採れる
10月頃:実がつく
今回は小さな花が咲いた時期で、実はついていませんでしたが、実からは別の香りが出てしまうため、10月には実を取り除く作業が加わります。
またオイルを採りやすいのは夏だそうですが、日差しが強い中の作業は想像するだけでうんざりしてしまいますね😰
エッセンシャルオイルの蒸留体験の流れ
1.枝を切り落とす(蒸留体験ではここまで準備されていました)
2.手作業で太い幹を取り除く
▼小枝と葉だけにした芳樟
3.蒸留所に運ぶ
4.重さを計る
5.蒸留器に入れ足で踏み固める
釜の中の芳樟↓
6.蓋をし、パッキン代わりの水を注入する
7.15分ほどするとエッセンシャルオイルを含んだ液体が出始める(90分ほど蒸留する)
8.蒸留を止め釜の中の枝と葉を取り出す
▼この時の香りがとーーーっても甘い!
水蒸気蒸留法の仕組み
▼蒸留で水とエッセンシャルオイルが分離する仕組み
分離した精油とフローラルウォーター
この日抽出されたエッセンシャルオイルの量は?
この日は合わせて約260キロの芳樟の小枝と葉を蒸留しました。
エッセンシャルオイルは約1%抽出されるので、計算上は2.6キロのエッセンシャルオイルが抽出されるはずですね。
副園長さんによると、3Lぐらい抽出できるんじゃないか、とのことでした。
約250キロの芳樟から採れるのは、わずか300本ほど(10ml入りの場合)。
しつこいですが、本当に少ないですね。
エッセンシャルオイル300本のための労力と時間とコスト
この日は30名ほどの参加者がいたので、30分ほどで太い幹を除き、100キロ強の葉と小枝を用意できました。
もちろん普段はこんな大人数で作業はしていないので、本来なら数時間かかったはずです。
この日蒸留したのは、事前に香料園が用意していたものを含め約260キロ。
芳樟の木、約13本分です。
13本分の木から枝を切り落とし、さらに手作業で葉と小枝のみにする。
そしてそれらを計量して大きな釜に入れ、水蒸気で蒸し、蒸し終わったら釜の中の小枝と葉を処分して・・・
こうして抽出したエッセンシャルオイルは数か月間熟成させ、香りが落ち着いてからようやく私たちが香りを楽しめる状態になります。
エッセンシャルオイルができるまでにはかなりの時間と労力がかけられていることが分かります。
それだけではありません。
芳樟を育てる手間や時間、蒸留する時の光熱費や水道代、そして忘れてならないのが人件費も。
それでもエッセンシャルオイルは高いと思いますか?
エッセンシャルオイルの抽出現場を見ると、いかに手間と時間がかけられているのか、いかにエッセンシャルオイルが貴重なのかがよく分かると思います。
エッセンシャルオイルの蒸留を行っている施設は意外と国内にもありますので、興味のある方はぜひ一度見学に行ってみてはいかがでしょうか。
ごまかしようのない、正真正銘、天然成分100%のエッセンシャルオイル香りも楽しめますので、お勧めですよ😀